후리가나로 읽는 일본 고전
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
海野 十三의 深夜の市長(しんやのしちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,982자 · 220화면
しかし僕は彼女をもっともっと神聖視していた。それが誤りだった。もともと自分が不明だったのである。こう腹の立つのも、マスミに対する嫉妬というよりは、自分の不明に対する憤りのせいだったかもしれない。それにしても、この虫も殺さぬ天使のような少女がやっぱり売女だったとは、なんという淋しいことだろうか。
「おお、売女! 売女!」
僕は眼でもって、マスミの頬を打擲した。眼でもって、微かに白い歯を覗かせた可愛いい薔薇色の唇を抓りあげた。それでも物足りなかった。夜具を跳ねのけて、彼女の細い頸をギュッと締めつけたい衝動に駆られて、怺えがたくなった。僕の腕は、いつしかマスミの顔の方に伸びていた。そしてその指先が、彼女の額に触れんばかりに近づいたとき、僕の腕は急に磐石を載せられたように重くなった。――僕は何処かに凜たる声のするのを聴き咎めた。
(……お前は卑怯者で、冷酷な人間だ。……マスミをこんなにしたのはお前のせいだぞ。お前は今までに度々マスミを救う機会があったのだ。目黒の苺園ホテルを忘れたか、日比谷公園を忘れたか。いやいや、お前はもっと重大な義務からも逃避している卑怯者だ。