후리가나로 읽는 일본 고전
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
海野 十三의 深夜の市長(しんやのしちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,982자 · 220화면
をすぐ温められるようにし、次に洋服箪笥を開いて、予て一着分用意してあった古洋服を下して着換えた。そしてこれだけは上等交りけなしというラクダの襟巻をしっかりと頸に巻きつけ、その上に莨の焼跡がところどころにある真黒なオーヴァに腕を通し、名ばかりは天鵞絨のウィーン帽子を深々と被り、電灯のスイッチをひねって、それからなるたけ音のしないように靴を履き、洋杖を抜きだし、表の戸を明け、外から秘密の締まりの孔へ太い釘をさし、それから小暗い路地にソロソロと歩を搬びながら、始めてホッと溜息をついたのだった。
時刻はもう十二時をかなり廻っている筈だった。通りの家並はすっかり寝静まって、軒から氷柱が下りそうに静かであった。僕はオーヴァのポケットから、「暁」を一本口に銜えて火を点けながら、これから始まるその夜の行手に、どんな楽しいことが待ち構えているかを予想して、ひそかに胸を躍らせたのだった。
深夜の散歩――。
それが僕の最大の楽しみだった。そのために僕は特別なる睡眠法を励行していた。それは一日のうちに睡眠を三回に分けて摂ることだった。午睡三十分――これは勤め先の応接室を内側からロックして、安楽椅子の上で睡る。