후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
そういわれて見て私ははっとしました。なぜそんなことをいったのだろう、私自身この辺は全く始めてなので、知っている筈はないのです。
「いや、そう思うだけさ」
「なんだ、行って見よう。――おやつきあたりだ、矢張り知ってるんじゃないか」
「ふーん」
友人にそういわれて、今度は私が不思議がる始末です。私はこんなところを知っている筈はないのだが――どうしてあんなことをいったのだろう。そう思ってあるきながら考えてみますと、夢、夢でした。いつか夢でここをうろついたのです。確にそう考えるより仕方がないのです。私はぞっとするようないやないやな気持におそわれました。
こういうように私には段々夢と現実との境がへんにぼかされて来ました。私はその恐ろしさからのがれるためにどんなにあせったことでしょう、しかしそのじりじりと迫る怪しい魔者から抜け出すことは出来ませんでした。いやそれどころか却て前よりも尚々現実との境界があやしくなって行くのでした。私は非常な不安になやみました、朝、眼をさましても、果して自分が本当に眼をさますことが出来たのか、それともまだ夢の続きを見ているのか、そんな簡単な下らないことにも私は喘ぐように考えなければならないのでした。