후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
さっきは、返事一つしない叔父の様子に、一途に憤慨したのだが、それにしても、かつてはいかにも科学者らしく、冷静そのもののように表情というものを現わさなかった細川三之助が、たとえ僅かでもポッと赤味を漂わせたり、鬢の顫えを見せたりしたのは、きっと心には激しい動揺を覚えていたに違いないのだ。
とすれば、叔父には何か返事の出来ない、中野とは言葉の交せない理由があるに相違ない――、もしかすると、その理由のために、十五六年もの長い間わざと全く消息を絶っていたのかも知れない。
(その理由は――?)
無論わからなかった。
中野は、もう一遍行って、それだけでも訊こうと思った。先刻は傍らにあの少女がいたので、叔父は余計に話せなかったのかも知れない。
彼は午飯をすますと、久しぶりにきちんと夏服を着込んで、磯づたいに歩いて行った。
白亜船は、先っきのままに浮んでいた。シーンと静まりかえって、人声一つしてはいなかった。
中野は、足音を忍ばせるようにして、船に上って行った。
上って行って先ず気づいたのは、その足ざわりなどから察すると、驚いたことには、この船全体が、ジュラルミンか何か、とにかくそういった種類の軽金属で、総てが造られているらしいことだった。