후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
その生々しい姿と、全然対蹠的なのがマダム丘子であった。爛熟し、妖しきまでに完成された女性には、一種異様な圧倒されるような、アクティヴな力のあることを感じた。私はこの二人の女性から、女性の美というものに二種あることを知った。諸口さんの嫋々とした、いってみれば古典的静謐の美に対して、マダム丘子のそれは烈々としてすべてを焼きつくす情獄の美鬼を思わせるものであった。
しかし私は、この二つの美に対して、どちらを主とすることも出来なかった、マダム丘子のその福々とした腕……それは真綿のように頸をしめ、最後の一滴までの生血を啜るかのような妖婦的美しさの中にも、又極めて不思議な魅力のあることを、私も否めなかった。
だが、ひどく利己的な、その癖極めてお体裁屋の私は、このアクティヴな力を圧倒してまで飛込んで行くことが出来なかった、それで人足先きにマダムへのスタートを切ったらしい青木を、ただニヤニヤと見つめるのであった。そして私は、前いったように、諸口さんの方から自分に接近して来るのを、巣を張った蜘蛛のように、ジーッと、そのくせ表べは知らん顔をして待っていたのであった……。