후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
(まずいな)
彼は、親方がシルクハットの埃を払っている手つきが、まるで叩いているように荒々しいのを見て
(よっぽど御機嫌が悪いな)
と、直感した。
黒吉は、成るべく親方の方を見ないようにして、こそこそと捜し出した。しかし、大勢の者が捜した後だもの、そう簡単に見つかる筈はなかった。
それどころか、彼は、気の所為か親方が、時々自分の方に、白い視線を送るようで、ひやりとしたものを感じた。
「黒公。あるか。尤もいま頃から捜しちゃある方が可怪しいが、一体、何を捜すのか知ってるのか――」
親方の声は、無気味な程、静かだった。だが、それには、親方一流の皮肉があった。
(来たな……)
黒吉は、ゴクンと唾を飲んだ。
と同時に、彼は思わぬ幸運を拾った。
「黒公。出番じゃねエか、何処に居るんだ」
幕の向うで、そう呶鳴ったのは、仙次らしかった。
これは彼のひがみかも知れないが、仙次は彼を助ける為に、呼んだのではないようだ、むしろ、まだ黒吉が来ないと思っている仙次が、わざと親方に聞えるように、呶鳴ったのだ――と見た方が当を得ていただろう。
それはともかくとして、この場合、黒吉には仙次が、有難い恩人にも思えた。