후리가나로 읽는 일본 고전
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
泉 鏡花의 照葉狂言(てりはきょうげん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 49,730자 · 100화면
楽しき境遇にはあらざれど、小親はいつも楽しげなりき。こなたも姉と思う女なり、姉とも思う人なり。
さりながら、ここにまた姉上と思いまいらせし女こそあれ。
ふる里の空のなつかしきは、峰の松の左に傾きて枝を垂れたる姿なり。石の鳥居なり。百日紅なり。砂のなかなる金色の細なり。軒に見馴れしと思う蜘蛛の巣のおかしかりし状さえ懐しけれど、最も慕わしく、懐しき心に堪えざりしは、雪とて継母の女なる、かの広岡の姉上なりき。
伯母上にそのあしきことありし時、姉上は広岡の家に来よとのたまいぬ。小親は狂言の楽屋に来れと言いぬ。二人の顔を見かわして、わが心動きしはいずれなりけむ。継母の声したれば、ふと小親のあたたかき肩掛の下に、小さきわが身体ひそみにき。
寂しかりしよ、わかれの時、凍てたる月に横顔白く、もの憂きことに窶れたまいし、日頃さえ、弱々しく、風にも堪えじと見えたまうが、寝着姿の肌薄きに、折から身を刺す凩なりし。悵然として戸に倚りて遥に此方を見送りたまいし。あわれの俤眼前を去らず、八年永き月日の間、誰がこの思はさせたるぞ。
広岡の継母に、かくて垣越に出会いしは、ふるさとに帰りし日の、二十日過ぎたる夕暮なりけむ。