후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
「お酒はうまいか。」
基経は機嫌よく、娘のいまは明るくなった顔を平静な心で見入った。
「生まれてはじめてお酒をいただくのですけれど、お酒は香気もよろしく大変おいしくございます。」
橘は間もなく頬をそめた。夕餉はかくして晩春のひと夜を迎えるために、かなり永い間かかって終った。館の内外も今宵はとりわけ温かく、あえなくなった二人のための香煙は橘の手によって絶えることなく、濃い紫の紐をひと間の中にかがり、紐は庭に漏れ、そして池の上をかすめて行った。
一夜を越えようとした明方、生田川のさざ波に銀の粉を振り撒いたような日の光が映った時分、橘の館では、橘の姿が見えず人びとは騒ぎ立ったが、基経は殆ど直覚的に生田川のほとりを捜せよと、もうそれが決定的であることのように家人に吩附けた。橘の姫は、津と和泉の人ととが相果てたほとりに、未だ化粧の香を匂わせたまま頭を土手の方に向けてあえなくなっていた。髪を堅く結び、下装束を極めた彼女のなきがらは、それみずからが濡れた大きい花の束のようなものだった。館にはこばれると人びとはそうした心根にいたくも深く打たれた。
基経は頭を垂れて娘の髪をなでさすり、なでさすりながらいった。