후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 289,044자 · 575화면
十月十三日
いかにもイギリスらしい室内で水色の服をすーっとふくらませた若い女が、あのイギリスの炉辺にしゃがんで、二つの手をそのストーヴに向ってのばして、今よみ終ったばかりの物語か詩の最後の章の感銘を味っているところです。傍の椅子の上に伏せられたまま本があって。
詩でも戯曲でも、はじめの第一章のつよい感銘と、終りの一章の与える感銘は決定的ですね。ですから、作品についていうとき、よく、はじめすこしよんで、中頃よんで、結びをよめば、その価値がわかるというわけね。しかし、本当の文芸批評からいうと、これはやはり本末顛倒でしょう。少くとも私はそう信じます。
よい作家たち、旺盛な詩人たちであったなら、これから複雑をきわめ、大きい振幅とテーマの展開とがひかえている全篇の序に向ったとき、おのずから力の集注された表現で開始されるのは自然ですもの。しかも傑作ほど思わせぶりなく主題に入るというトルストイの意味ふかい技法上の必然は、あらゆる場合の真実であることもどんなにつきない興味でしょう。作品の主題そのものが、最初の章では自身のそれから先の展開を知らないで、自身に加えられる展開のための力に従順で、真白い紙をしずかにのべて、様々の方向からの描写を与えられてゆくうちに、いつしか作者とテーマ自体の動きとが一つに起伏しはじめて、作者がテーマをすすめ