후리가나로 읽는 일본 고전
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わたしのりれきしょ
私の履歴書
井上 貞治郎
井上 貞治郎의 私の履歴書(わたしのりれきしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,380자 · 69화면
この年は国内では有名な幸徳秋水らの大逆事件があり、またハレーすい星が現われ、外交面では日本が韓国を併合した年である。
私は心ばかりでもこの年の幸いを祈ろうと、一銭五厘で門松を買って飾り、年賀状を四枚買って、レート化粧品などおもだった得意先四軒にあてて出した。それから五銭でもちを買い、形ばかりの「ぞうに」をひとりで祝って三ヵ日をすごしたものだ。年始がてらにやってきた向かいのばあさんに、子供を連れて実家に戻った娘の縁談を持込まれたのもこの正月だった。もちろんこれは断ったが、「戻る」では正月早々縁起がいいと喜んでいいものかどうか……と苦笑したものである。
ある日鎌倉河岸の光電社へ電球包装紙の注文品を届けにいったところ、主人の所浜次郎氏から女房の話を持込まれた。相手は本所松原町にある質屋の若嫁さんの妹で、お静という二十二の娘である。私は生まれて初めて見合いに出かけた。お静はおとなしく下を向いたきりで顔もよくわからなかったがとにかくもらうことにした。私は『女房をもらえば働き手がひとり助かるから安上がりだ』とひとりそろばんをはじいたわけである。
三月に結婚して、そのあくる日から女子従業員のおげんさんを断った。