후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
、侍どころ所司、検断所、越訴奉行などのおびただしい鎌倉使臣が居留しているその政治的聚落も、いつか百年余の月日をここにけみしていた。
夜はしらむ。
年輪をかさねた六波羅松の松の奏でに。
近くの八坂ノ神の庭燎、祇園の神鈴など、やはり元朝は何やら森厳に明ける。
明けて、ことしは元亨二年だった。
ただしく過去をかぞえれば、武家幕府の創始者、頼朝の没後から百二十二年目にあたる初春である。
又太郎は一室で、清楚な狩衣に着かえ、烏帽子も新しくして、若水を汲むべく、庭の井筒へ降り立っていた。
彼の伯父なる人とは、六波羅評定衆の一員、上杉兵庫頭憲房である。ここはその邸内だったのはいうまでもない。
「アア都は早いな」
井筒のつるべへ手をかけながら、又太郎はゆうべの酔の気もない面を、梅の梢に仰向けた。
「――国元のわが家の梅は、まだ雪深い中だろうに。……右馬介、ここのはもうチラホラ咲いているの」
「お国元のご両親にも、今朝は旅のお子のために、朝日へ向って、ご祈念でございましょうず」
又太郎に、返辞はなかった。彼も若水の第一をささげて、まず東方の人に、拝をしていた。
彼にとれば、ここは旅先の仮の宿所だ。