후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 84,829자 · 169화면
路地を入ると、ふと、玄関に人の出入りしたらしい、雪の上の靴跡に気付いて、胸をおどらした。――誰かが訪ねて来たのだ、兄さんの消息がわかるかも知れない! それとも郵便なのだろうか?
郵便箱をのぞいて見ると、中は空っぽだった。
「ただ今!」
と玄関をのぞいたが、三和土の上に、とけかかった雪が散らばっているだけで、べつに客のいる気配もなかった。
「おかえんなさい、まあひどい雪!」
お勝手で、水仕事をしていたらしい小母さんは、たすきをかけたまま、濡れた手を拭きながら出て来た。
「誰か訪ねて来たでしょう、小母さん」
「ええ、来ましたよ、たった今お帰りになったばかりですから、そのへんでお遇いになったかも知れませんね」
なあんだ、鳥尾の小父さんか――と、思ったが、先刻そんな話もしなかったところから見ると、鳥尾大尉ではないらしい。
「どんな人、いったい……」
「そうそうそれをお話ししなくっちゃ、途中で遇ってもおわかりにならないはずですね、ほほほ」
小母さんは、茶箪笥の上から、一枚の名刺をとり出して来た。
それにははっきりした活字で、「村山作太郎」と印刷してあるだけで、肩書も住所も入っていなかった。