일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ

秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ(ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,876자 · 20화면

아오조라 문고

遠方で轟く雷鳴の音が何処からともなく幽に耳に伝わる。夜目にも万象は漸く惨憺たる有様を呈して来たことが窺われる。槇君は、これこそ御登攀の光栄に浴する山々が驚喜のあまり、熱狂的に奏する豪快な大交響楽であると言う。成程そうに違いなかった――二時――三時――四時となってもまだ此状態は続いていた。斯くては天候の恢復する迄御出発を見合せるより外に方法はない。竹本さんや渡辺さんと相談して殿下に渡辺さんが其事を申上げる。とうにお目覚であった殿下は、私達が膝を崩して談合している場所へお出ましになって、「ひどい風ですね、硝子障子が頭の上に倒れるかと思って、心配で寝られなかった」と仰しゃりながら、私達の申上げたことに対しては、「そうするより外に仕方ないでしょう」と御同意遊ばされた。

さしも険悪であった天候も、しかし午前七時頃になると急に雨も歇み、雲が途切れて西の山蔭から碧空が覗き出した。風も北に変って、この模様なら今日一日位は持ちこたえそうに思われる。もう時間が遅いから最初の予定通り槍の殺生小屋までは辿り着けない、けれども大天井迄は楽に行ける。それで午前十時御出発のことに取極めた。