후리가나로 읽는 일본 고전
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
芥川 竜之介의 素戔嗚尊(すさのおのみこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,917자 · 86화면
十一
彼が手ひどく殴られた事は、一面に地腫のした彼の顔が、明白に語っている事実であった。素戔嗚は彼の顔を見ると、腹立たしい心のどん底から、急に可笑しさがこみ上げて来た。
「どうした? 怪我はしなかったか?」
「何、したってかまいはしません。今日と云う今日こそあいつらに、一泡吹かせてやったのですから。――それよりあなたこそ、御怪我はありませんか。」
「うん、瘤が一つ出来ただけだった。」
素戔嗚はこう云う一言に忌々しさを吐き出しながら、そこにあった一本の楡の根本に腰を下した。彼の眼の前には部落の屋根が、草山の腹にさす夕日の光の中に、やはり赤々と浮き上っていた。その景色が素戔嗚には、不思議に感じるくらい平和に見えた。それだけまた今までの格闘が、夢のような気さえしないではなかった。
二人は草を敷いたまま、しばらくは黙って物静な部落の日暮を見下していた。
「どうです。瘤は痛みますか。」
「大して痛まない。」
「米を噛んでつけて置くと好いそうですよ。」
「そうか。それは好い事を聞いた。」
十一
ちょうどこの喧嘩と同じように、素戔嗚は次第にある一団の若者たちを嫌でも敵にしなければならなくなった。