후리가나로 읽는 일본 고전
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
芥川 竜之介의 素戔嗚尊(すさのおのみこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,917자 · 86화면
三十二
」――彼はそう思いながら、貪るように湖を眺め続けた。しかしそれが何だったかは、遠い記憶を辿って見ても、容易に彼には思い出せなかった。
その内に雲の影が移って、彼を囲む真夏の山々へ、一時に日の光が照り渡った。山々を埋める森の緑は、それと共に美しく湖の空に燃え上った。この時彼の心には異様な戦慄が伝わるのを感じた。彼は息を呑みながら、熱心に耳を傾けた。すると重なり合った山々の奥から、今まで忘れていた自然の言葉が声のない雷のように轟いて来た。
彼は喜びに戦いた。戦きながらその言葉の威力の前に圧倒された。彼はしまいには砂に伏して、必死に耳を塞ごうとした。が、自然は語り続けた。彼は嫌でもその言葉に、じっと聞き入るより途はなかった。
湖は日に輝きながら、溌溂とその言葉に応じた。彼は――その汀にひれ伏している、小さな一人の人間は、代る代る泣いたり笑ったりしていた。が、山々の中から湧き上る声は、彼の悲喜には頓着なく、あたかも目に見えない波濤のように、絶えまなく彼の上へ漲って来た。
三十二
素戔嗚はその湖の水を浴びて、全身の穢れを洗い落した。それから岸に臨んでいる、大きな樅の木の陰へ行って、久しぶりに健な眠に沈んだ。