후리가나로 읽는 일본 고전
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 226,715자 · 431화면
「僕は試したことはありませんが、利くと云うことですな」
汽車はようよう尾張一ノ宮を過ぎたばかりであった。幸子達は普通列車でこのあたりを通ったことがないので、記憶にないような小さな駅々を丁寧に停って行くのが溜らなく退屈で、岐阜から名古屋までの間がとても長いように感じられたが、程なく幸子と雪子とは又うとうとし始めた。名古屋よ、お母ちゃん、………お城が見えるよ、姉ちゃん、………と、悦子が起しにかかったのと、客がどやどや入り込んで来たのとで、二人ともちょっと眼を開くことは開いたが、名古屋を出ると直ぐ又たわいもなく眠った。大府あたりから雨が降って来たのに、それも知らないで眠っているので、妙子が立って窓硝子を締めてやったが、彼方此方で俄に窓を締めたので、車室の中はひとしお蒸し暑い温気が籠り、大部分の客がこくりこくりやっていた。と、幸子達の席から四側ばかり前方の、通路の反対側の席に後向きに掛けていた陸軍士官が、シューベルトのセレナーデを唄い出した。
しめやかに
闇を縫う
歌のしらべ
静けさは
果てもなし………
士官は行儀よく席に掛けたまま身動きもしないで唄っているので、幸子達が眼を覚ました時、最初は誰が唄っているのか分らず、密閉された室内に唄声だけが瀰漫しつつあって、何処かで蓄音器を懸けているように聞えた。