후리가나로 읽는 일본 고전
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とうじゅうろうのこい
藤十郎の恋・恩讐の彼方に
菊池 寛
菊池 寛의 藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,146자 · 74화면
七三郎の巴之丞が、洛中洛外の人気を唆って、弥生狂言をも、同じ芸題で打ち続けると云う噂を聞きながら、藤十郎は烈しい焦躁と不安の胸を抑えて、じっと思案の手を拱ぬいたのである。その時に、ふと彼の心に浮んだのは、浪華に住んでいる近松門左衛門の事であった。
四
それは、二月のある宵であった。四条中東の京の端、鴨川の流近く瀬鳴の音が、手に取って聞えるような茶屋宗清の大広間で、万太夫座の弥生狂言の顔つなぎの宴が開かれていた。
広間の中央、床柱を背にして、銀燭の光を真向に浴びながら、どんすの鏡蒲団の上に、悠ったりと坐り、心持脇息に身を靠せているのは、坂田藤十郎であった。茶せんに結った色白の面は、四十を越した男とは、思われぬ程の美しさに輝いて見えた。下には鼠縮緬の引かえしを着、上には黒羽二重の両面芥子人形の加賀紋の羽織を打ちかけ、宗伝唐茶の畳帯をしめていた。藤十郎の右に坐っているのは、一座の若女形の切波千寿であった。白小袖の上に、紫縮緬の二つ重ねを着、虎膚天鵞絨の羽織に、紫の野良帽子をいただいた風情は、さながら女の如く艶めかしい、この二人を囲んで、一座の道化方、くゎしゃ方、若衆方などの人々が、それぞれ華美な風俗の限を尽して居並んでいた。