후리가나로 읽는 일본 고전
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
山本 周五郎의 赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,626자 · 45화면
玄関まで送って来たまさをに、彼は、「母を頼みます」と云い、まさをは、どうぞまたみまいに来てくれるようにと云って、登の眼をじっと見あげた。
外へ出て、歩いていきながら、登は幸福な気分に包まれているのを感じた。玄関へ両手を突いてこちらを見あげたとき、まさをはその眼をぱちぱちと大きく二三度またたかせた。すると彼女の顔いちめんが、露をはらったなにかの葩のように、みずみずしい精気を発するのが感じられた。
「あの眼だな」と歩きながら彼は呟いた、「よく気のまわる、賢さと敏感な気性が、あの眼にそのままあらわれている」
ちぐさはどうだ。そう思って彼はおそろしく決然と首を振った。ちぐさの印象はすっかり色褪せたばかりでなく、いまの彼には些かのみれんも残らず、むしろ嫌悪を催すくらいであった。
「これはおれが成長したことだろうか」と登はまた呟いた、「そうだ、養生所で経験したことが、たぶん幾らかでもおれを成長させたのだろう、そうだ、おれにとってはこのほうがよかった」
各種各様な意味で、人間生活の表裏を見て来た。ことに不幸や貧困や病苦の面で、そこにあらわれる人間のはだかな姿を、現実に自分の眼で見て来たのである。