후리가나로 읽는 일본 고전
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そらとぶあくま
酒井嘉七探偵小説選 〔論創ミステリ叢書34〕
酒井 嘉七
酒井 嘉七의 酒井嘉七探偵小説選 〔論創ミステリ叢書34〕(そらとぶあくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,471자 · 28화면
今日は端句である。紺碧の空をあちらこちらに真鯉緋鯉が大空をわがもの顔に遊する。はるか向うの青葉の美しい辺りに、真鯉二匹を誇らしく高く掲げた藁屋根の家が見える。二人の男子ありという意味であろうか。自分は兄弟愛を知らない。十六の時に私の母の虐待に堪えかねて家出したという十一違いの兄は今どこにいるのであろうか。
赤沢荘三郎の子息が私を訪れて来たのは九時過ぎであった。彼は老女に導かれて重い足取りで階段を上って来た。私は十畳の間に床を背に端座していた。十畳と四畳の部屋を仕切る襖は開け放たれ、両側の三個の窓も、窓の大きさ一ぱいに初夏の清々しい朝風を静かに部屋の中に送りこんでいる。階段を登り切った赤沢の子息は私を一瞥したまま、突然に襲われたらしい何か異常な感動を押しかくしでもするような様子を彼の動作に明らかに示しながらじっとそこに立ち竦んでしまった。彼は私の存在をも忘れて、くるったように彼の眼のみに全神経を集中させて、部屋の内部を端から端まで突き刺すような鋭い、そして注意深い視線で掃き廻した。
「赤沢さん。どうぞ」
彼は私の声に初めて自分に返ったように、私の前に座をしめた。