후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控 鬼の面(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,082자 · 257화면
それから十何日、丁度八月十五日の名月の晩に、吾妻屋永左衛門は小宴を開いて、大井久我之助と国府弥八郎を呼び、表向きは仲直りの杯を交わすということにして、実は退引ならぬ二人の間の蟠りの晩を、この献立てで、一挙に片付けようとしたのも無理のない成行でした。
人妻に恋するのは不都合千万と言っても吾妻屋の女房のお染は、玉屋小三郎抱の遊女薄墨の後身であり、その間夫だった大井久我之助の手許には、薄墨の書いた起請が十三通、外にとろけそうな文句を綴った日文が三百幾十本となり、このまま諦めるにしては、二人の仲はあまりにも深間過ぎて、暗討まで仕掛けられた吾妻屋永左衛門にしても、寝覚のよくなかったことでしょう。
「先ず、どうぞ」
深怨の久我之助と、時の氏神の国府弥八郎と、連れ立って来たのを、主人の永左衛門、自ら案内に立って、設けの席に導き入れました。
それは『かねやす』に背を向けた、東向の裏二階で、十五夜の月はもう、町並の屋根の上に昇って居り、縁側には型通りの祭壇が、青白い月の光を受けて、粛然と静まり返って居ります。
部屋の中にはわざと薄暗い行灯が一つ、主客席に着くと、待って居ましたと言わぬばかりに、手順よく膳が運び出されるのです。