후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,179자 · 280화면
「お長屋の窓は、門から数えて右へ四つ目、九つの増上寺の鐘が合図でございますよ」
格子を隔てて、――母子の最後の別れになるかも知れませんが、それでも、母親にとっては、せめてもの慰めでした。
約束の子刻――。
加世は平次と八五郎に伴れられて、西久保高力家上屋敷の門の外に忍び寄りました。
明日は殿様江戸表出立という騒ぎ、邸内は宵までごった返して、亥刻半(十一時)頃からは、その反動でピタリと鎮まります。夜廻りの通ったのは正九つ、その跫音が遠のくのを合図のように、お長屋の四番目の窓の障子が、内から静かに開きました。
「お、内匠」
「母上」
二人は飛付きました。が、黒塗りの巌丈な格子を隔てた上、格子の外には四尺あまりの溝があって、それより先へは進むこともなりません。
「殿様の身代りになって、危ない旅に出られるというのは、それは、嘘だろうね、内匠」
「いえ、母上」
「そのような事は、この母が許しません。高力家を退転したお前に、何の義理がありましょう、それはなりませんよ」
加世は溝も越え、格子も突破って、なろう事なら、倅をここから引出したい様子ですが、内匠はその気組みを避けるように、心持格子から離れました。