후리가나로 읽는 일본 고전
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ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
永井 隆의 長崎の鐘(ながさきのかね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,109자 · 131화면
大粒の雨がぼたぼた降りだした。指頭大の黒い雨で、くっついた所は重油か何かのように色がついた。これは上の魔雲から落ちてくるようだった。情景はいよいよ凄惨を極める。空気中の酸素が燃焼に費やされたのと、酸化炭素の発生がいちじるしいのとで、この火炎の谷の中では呼吸が重苦しい。誰も犬みたいにはあはあ息づいて働いている。その次に時計を見たら四時だった。患者はすっかり安全な丘の畑に並べて寝せた。どこか屋根のある所をと、学生の斥候は四方に走ったが、どこも火ばかり、ここよりほかに適当な個所はなかった。
私たちはそこに座って飯を食った。胸がいっぱいでという看護婦たちにも、これから何日何か月、こんなことが続くかわからんぞといって、とにかく皆がかねての非常食を食べた。腹ができると自然に落ち着いてきた。それから一人一人患者の訴えを聞いて、丁寧な手当てをやり始めた。止血帯を締めなおす。傷の縫い合わせをする、三角巾を巻きなおす、沃丁を塗る、水をのませる、布団や筵を見つけてきてかぶせる、副木を当てる。
「ああ標本室が火を吐く」長井君が叫ぶ。ああ、十数年苦心して集めた学術標本、再び手に入れられぬ貴重な症例写真が今一陣の煙と化しつつある。