후리가나로 읽는 일본 고전
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
永井 荷風의 雨瀟瀟・雪解 他七篇(あめしょうしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,414자 · 289화면
種彦は忽ち今までの恐怖と煩悶に引替えていかなる危険を冒しても、この年月精魂を籠めて書きつづけて来た長い長い物語を、今夜の中にも一気に完成させてしまわなければならぬような心持になるのであった。思返すまでもなく、それは実に寛政の末つ頃、ふと己れがまだ西丸の御小姓を勤めていた頃の若い美しい世界の思出されるまま、その華やかな記憶の夢を物語に作りなして以来、年ごとに売出す合巻の絵草紙の数も重って天保の今日に至るまで早くも十幾年という月日を閲した。その間というものは年ごとに咲く花は年ごとに散って行っても、また年ごとに鬢の毛の白さは年ごとに刻まれる額の皺と共に増って行っても、この偐紫楼の深更を照す円行燈のみは十年一日の如くに夜としいえば、必ず今見る通りの優しい艶しい光をわが机の上に投掛けてくれたのである。種彦は半ば呑掛けた湯呑を下に置くと共に墨摺る暇ももどかし気に筆を把ったがやがて小半時もたたぬ中に忽ち長大息を漏してそのまま筆を投捨ててしまった。そして恐るる如くに机から身を遠ざけ、どっさりと床の柱に背を投掛け眼をつぶり手を拱いたかと思うと、またもや未練らしく首を延して、此方からしげしげと机の上なる草稿を眺めやるのであった。