후리가나로 읽는 일본 고전
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わし
鷲
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 鷲(わし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 144,476자 · 290화면
」と、奥さんは考えていた。
「それはお止しになった方がいいでしょう。」と、わたしは注意した。「そのうちには自然に判ることがあるかも知れません。」
「そうですねえ。多代子さんと違って、透さんにうっかりそんなことを訊いて、それが良人の耳にでもはいると、わたしが又叱られますから。」
多代子の話はそれで打切りになった。先生の帰りは遅くなりそうだというので、わたしは奥さんと三十分ほど話して帰った。社の用件も片付いて、わたしも七月の初めには再び門司の支店へ帰ることになったので、先生のところへ暇乞いにゆくと、あいにくに今夜も先生は留守であった。梅雨のまだ明け切らない曇った宵である。こんな晩に先生はどこへ行かれたかと訊ねると、奥さんは小声で答えた。
「桐沢さんのところへ呼ばれて行ったのです。」
「桐沢さん……。」
「あなたも御存じでしょう。」
「お名前だけは承知しています。」と、わたしは言った。桐沢氏は知名の実業家で、その次男は大学の文科に籍を置いている。それが将来は先生のお嬢さんの婿になるという内約のあるらしいことは、わたしも薄々知っていた。そういう事情から、桐沢氏は多代子のような若い娘を自分の家にあずかって置くのは、先生夫婦の思惑もいかがという遠慮から、わざと自宅に寄宿させることを避けて、反対に彼女を先生のところへ預けることに