轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるふゆのばんのこと
ある冬の晩のこと
小川 未明
「婦人倶楽部」1928(昭和3)年4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,140 字 · 9 页
そして、すべてが気魄に感ぜられると、どうしてこんなに踊りが上手だろうかと不思議でならなかったのでした。
通る人たちは、みんな足を止めて、少女の踊りをながめました。
「まあかわいいこと。」
「よく小さいのに、こんなに踊れるものだ。」と口々にいって、感歎しました。そして、いつしか、心ない人々までが財布の口を解いて、お金をむしろの上へ投げたのであります。
「おばさん、今夜はこんなに、たくさんお金が集まりましたよ。」と少女は、そこに落ちている銅貨や銀貨を拾って、女の手に渡したのでした。すると女は、
「これをみんな私がもらうことはできません。半分、お家へ持って帰って、お母さんになにか買ってください。」といいました。
しかし少女は、これには耳も傾けずに、
「おばさん、また、わたしは、いいものを持ってきてあげますよ。」といい残して、どこへかいってしまいました。
哀れな女は、ついに少女の住んでいるところすら知らなかったのです。それから、幾日もたって、年を越しました。春といっても、まだ寒く、あたりはさびしかった。
ある夜、女は、いつものごとく、橋のそばにすわっていました。水の音が、細く、悲しく、闇の中に消えています。