轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
「サンデー毎日臨時増刊仲秋特別号」毎日新聞出版、1952(昭和27)年10月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,304 字 · 45 页
五
いしと外島又兵衛との関係は、思いがけなかった以上に、傷手であった。勘兵衛の忠告は事実と思わなければならない、外島はいしに保馬の任務をさぐれと命じたであろう、なぜなら、初めのうち外島はしつっこく保馬に近づこうとした。彼が御用商人たちと特別の関係をもっていることは宮津へ来るまえからわかっていた。
――こいつさぐりに来たな、と思っていたのであるが、保馬が遊びだすと、まもなく姿を見せなくなり、代っていしとの交渉が始まった。つまり彼女に肩代りをした、と考えることができるだろう。
――そうは思いたくない。
保馬は否定したかった。しかしもう否定することはできなかった。そうして、自分がどんなにいしに惹きつけられていたかということに気づいて、激しく顔をしかめるのであった。
五
仕事が終るまでは、行動を変えるわけにはいかなかった。保馬はそれまでと同じように、料亭へでかけ、いしと会った。自分では平静なつもりでいるが、いしにはなにか変化がわかるとみえ、ときどきじっと保馬を見つめた。
「なにをそんなに見るんだ」
「この頃なんだか浮かないごようすですから」といしは云う、「いつものお癖がちっとも出ませんし、来てもすぐお帰りになりますわ」