轻松读懂日语经典作品
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おれのにょうぼう
おれの女房
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,296 字 · 46 页
八畳二間の床を背に、六曲一双の屏風が立ててあった。――左半双の左の上端から、右半双の右の下端までひとすじの川が弧をなし円を描き、迂曲蛇行して流れている、滝があり瀬があり淵がある。
そしてその川の両岸には重畳たる山や、丘や森や野や耕地や、村落や町があり、いちばん下流はひろくなって、繁華な市街にはいっている。またその到るところに、農漁工商、それぞれの職にいそしむ人たち、その人たちにつながる生活のさまが描かれている。
全画面が墨の濃淡だけで、一点の色も使われていない。しかも墨に七彩ありというのはこのことかと思うほどあらゆる色彩の変化がみごとに表現されていた。
「私は人間が描きたかった、実際に生活している人間の、生活している姿が描きたかった。この絵の眼目はそれです」
又五郎は告白でもするように云った。
「山水や花鳥を描いて、幽玄とか風雅とか枯淡などと云ってはいられない、絵師も人間であり、生活するからには、もっと人間を描き生活を描かなければうそだ、――通俗などと云って世間をみくだし、一段高いところにいるような気持でいるのはあそびだ、私は百姓が稲を作るように絵を描く、大工が家を建て、左官が壁を塗るように絵を描く、……この絵にはまだ考えたことの十分の一も出ていない、しかしこれからは少しずつそれがだせると思う、だせるように