轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おれのにょうぼう
おれの女房
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,296 字 · 46 页
きげんのいい顔をして、できないくふうをしたかもしれない、だがお石はごくあたりまえな女だ、性質はあのとおりだし学問があるわけでもない、しかし、――おれのためにはできない辛抱をして呉れた。口には云えないような貧乏ぐらしをよくがまんして呉れた。その辛抱もがまんもしつくして、どうにも堪らなくなったから出ていったんだ、みんなにそれがわかるか、女房の悪いのは亭主が悪いからだ、責めるならおれを責めて呉れ、お石は又五郎の女房だ」
わっと泣き崩れる声が起った。お石である、彼女は袂で顔を掩い、身もだえをして、畳の上へ俯伏せになって泣いた。そうして泣きながらとぎれとぎれに云った。
「いいえ、わたしは貴方の妻じゃございません、みなさんがいま仰しゃったとおりです。貧乏にあいそうをつかして、とびだし、こんど出世をなすったと聞いて、欲が出て、うまく戻れたら戻ろうと思って、恥も外聞もなくやって来たんです。わたしは恥知らずな、ずうずうしい女です。おれの女房だと云って下すった、いまのお言葉で眼がさめました、――どうぞみなさんも堪忍して下さいまし、もう決して、戻して頂こうなどとは思いません、これでおいとまを致します」