轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おせいとうじょう
お勢登場
江戸川 乱歩
「大衆文藝」1926(大正15)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,784 字 · 24 页
やがて、銘々発見されて、あとは彼一人になったらしく、子供達は一緒になって、部屋部屋を探し歩いている気勢がした。
「おじさんどこへ隠れたんだろう」
「おじさあん、もう出ておいでよ」
などと口々に喋るのが聞えて、彼等は段々押入れの前へ近づいて来た。
「ウフフ、パパはきっと押入れの中にいるよ」
正一の声で、すぐ戸の前で囁くのが聞えた。格太郎は見つかり相になると、もう少しじらしてやれという気で、押入れの中にあった古い長持の蓋をそっと開いて、その中へ忍び、元の通り蓋をして、息をこらした。中にはフワフワした夜具かなんかが入っていて、丁度寝台にでも寝た様で、居心地が悪くなかった。
彼が長持の蓋を閉めるのと引違いに、ガラッと重い板戸が開く音がして、
「おじさん、めっけた」
という叫び声が聞えた。
「アラッ、いないよ」
「だって、さっき音がしていたよ、ねえ何々ちゃん」
「あれは、きっと鼠だよ」
子供達はひそひそ声で無邪気な問答をくり返していたが、(それが密閉された長持の中では、非常に遠くからの様に聞えた)いつまでたっても、薄暗い押入れの中は、ヒッソリして人の気勢もないので、
「おばけだあ」