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かいじんにじゅうめんそう

かいじん二十めんそう

江戸川 乱歩

「たのしい二年生」講談社、1959(昭和34)年10月~1960(昭和35)年3月

N5 · 入门 · 新字新假名 · 9,031 字 · 19 页

青空文庫

2

そこは、むかしからあるおみやで、ふかい森にかこまれた、ひるでも、うすぐらいところです。たかしくんとミチ子ちゃんは、なんだか、きみがわるくなってきました。

大きな木の立ちならんだうすぐらいところへ来ると、とつぜん、すぎ山先生のすがたが見えなくなってしまいました。

ふたりの手をはなして、大きな木のむこうがわへ行ったかと思うと、そのまま、きえてしまったのです。

きょうだいは、あちこちと、さがしまわりましたが、どこにも、先生のすがたはありません。

しかたがないから、かえろうとすると、「えへへへへ……」という、きみのわるいわらい声がして、大きな木のみきのうしろから、からだじゅう金色にかがやくかいぶつが、すがたをあらわしました。

あっ、おうごんかめんです。

すぎ山先生が、いつの間にか、おうごんかめんのすがたにかわって、ふたりの前にあらわれたのです。

2

石村たかしくんと、いもうとで二年生のミチ子ちゃんは、すぎ山先生だと思っていた人に、古いおみやの森の中につれこまれました。

ところがそのひとは、おそろしいおうごんかめんだったのです。

おうごんかめんこそ、人々からこわがられていたかいじん二十めんそうなのです。