轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
大きな面をするねえ』ってね」
「僕は迚も恩給まで待っていられない」
「一体何うしたんだい? 高等学校の教員は待遇が好いっていうじゃないか?」
「まあ、後からゆっくり話そう」
と柴さんは食事中不平談でもなかろうと思ったらしい。
「店並は東京と異らないが、住宅が妙だね。入口が馬鹿に小さい。君の家もあんな鈴虫籠のような細い格子構えかい?」
とお父さんは依然京都の住み心地を気にしていた。
「此処は皆あれだよ。戸の潜りや格子の目が大きいと金が逃げて行くといって無暗に小さくする」
と柴さんが言った時、
「あら、そんなことあらしまへんで。格子が大けえとお日様が沢山入って畳がえら早くいたむからどす」
と給仕の女中が説明してくれた。
「何方にしても消極的だね、そうして衛生上好くないだろう?」
「衛生よりも畳の方が大切さ。日光の入らないところへは医者が入るという通り、京都は肺病が多いよ」
食後団さんは、
「さあ、柴君の不平を承ろう」
と不平を専らの話題にした。柴さんの主張は要するに教育全体が政府の詐欺にかゝっているということだった。
「君、技師には一級俸の人があるだろう!」
と柴さんが訊いた。