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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
「やあい、詰まった/\!」
「一升徳利詰まった!」
と囃し立てながら、悠々と茶の間の方へ引き揚げた。
しかし僕は間もなく疑問が起った。何うやらこれは話が余り甘過ぎる。お父さんが何故僕を連れて行くのだろうか! 散歩に出掛けるにも子供は煩いといって独りで行く人が長い旅行のお供を僕に仰せつけるとは理窟に合わない。或は妹達が何か早合点をしてあんなことを言ったのかも知れない。いっそお母さんのところへ行って確めて見ようかと思ったが、僕は性急で遠足や運動会の折には前の日から騒ぎ立てる癖があるから、イヨ/\となるまで知らせずに置く積りかも分らない。然うなら訊いても駄目だ。こんな風に僕はなお種々と憶測を逞うしたが、要するに成行を待つ外はないという極めて平凡な結論に達した。
晩御飯が済むと間もなく、一番お代官様の圭二が睡くなった。四つや五つの子供はまだ労を厭うことを知らない。朝早くから及ぶ限り骨の折れるようにと心掛けて遊ぶから疲れると見えて、晩は案外早い。尤もこの活動家にいつまでも起きていられたらお母さんは息をつく間がなかろう。僕達でも圭二の寝た後は何か物忘れをしたような心持がする。