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ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石
小川 未明
「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,385 字 · 9 页
頭の上の青空は、いつになっても変わりがなかったけれど、また、その空を流れる白い雲にも変わりがなかったけれど、女のようすは変わっていました。
水車場には、知らぬ人が入って住まうようになりました。
「若いうちに、うんと働いて、年をとってから楽な暮らしをしたいものだ。」と、二番めの夫はいいました。
彼女も、また、そう思いました。
「ほんとうに、そうでございます。」と、女は答えた。
そして、夫婦は、いっしょうけんめいに、家業に精を出したのであります。四、五年たちました。
すると、夫が病気にかかりました。病気はだんだんと重くなって、医者にみてもらうと、とても助からないということでありました。
夫は、死んでゆく自分の身の上を悲しみました。女は、また、夫に別れなければならぬのをなげきました。
「私が死んでしまったら、後でどんなにおまえは困るだろう、しかし正直にさえ働いていれば、この世の中にそう鬼はない、あまり心配しないほうがいい。」と、夫は、悲しみに沈んでいる妻をなぐさめていいました。
「わたしは、自分のことを思って、悲しんでいるのでありません。あなたにお別れしなければならぬのが悲しいのです。