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ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石
小川 未明
「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,385 字 · 9 页
鳥に餌をやったり、いろいろ鳥の世話をしました。月日は早くもたって、すでに三たび結婚をしてから、十年あまりにもなりました。すると、夫はあるとき、病気にかかりました。彼女は、よく看護をいたしました。けれど、そのかいもなく、夫の病気は、だんだん重くなるばかりでした。
「おまえを後に残していくのは、このうえなく悲しい。けれど、これも運命だからしかたがない。おまえは、あの鳥のめんどうを見てやったら、どうにか暮らしていけないことはない。」と、夫はいいました。
「ほんとうに悲しいことです。わたしは、もっと鳥のめんどうを見てやります。そして、一日も早くあなたのところへゆかれる日を待っています。」と、女は答えました。
「それで安心をした。どうか達者で、幸福に日を送ってくれい。きっと、私は、待っているから。」と、夫はいいました。
「あの世へゆくには、高い山を越さなければならないそうです。どうか峠でわたしを待っていてください。」と、女はいいました。
男はうなずいて、ついにこの世から去ってしまいました。女は夫の亡くなってしまった後、よくその家業を守りました。それから、また長い月日がたちました。