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なまずとあざみのはなし
なまずとあざみの話
小川 未明
「赤い鳥」1928(昭和3)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,008 字 · 6 页
あざみは、なまずのいうことに、耳をかたむけているうちに、人間が、自分を毒々しい、野卑な花だといって、足げにしたことを思い出しました。そのとき、人間は、すみれの花をかわいらしい花だといってほめたのです。
「ほんとうに、いつ私たちは、人間にたいして、にくまれるようなことをしたか。すべてが同じ花だのに、なぜ差別をつけなければならぬのか……。」と、あざみは、思ったが、口には出さずに、
「あなたのおうらみなさるのは、もっともです。」といいました。
あざみは、なまずの苦しみつづけた最後を見守りました。その日の晩方、なまずは、白い腹を出したきり、もう起き直りませんでした。小さな魚たちは遠くから、この有り様をながめていたが、急いでこのことを親たちに告げるために、姿を消してしまった。
二、三日たつと、あざみの花は、黒く色が変わってしまった。たまたま飛んできたちょうが、これをながめて、
「この花は、病気だろうか?」といって、止まらずに飛び去ってしまったのです。
なやみと、うれいのために、あざみの花は、黒くなってしまったのでした。
都からきた、植物学者が、この川のほとりを歩きました。