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ふたりのおばさん
ふたりのおばさん
室生 犀星
「銀河 第三卷・第一号 一月号」新潮社、1948(昭和23)年1月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,817 字 · 10 页
」
「人間は大きくなるとみな忘れてしまうから、だめ。あんたはそうじゃないにしてもね、ふつうは皆そうなんですよ。」
おばさんのいうことが、リョウヘイにはおとならしいことだったので、子どもを信じてくれないものたりない、たよりなさが、感じられた。
リョウヘイがしかられていると、おばさんは向かいの家から、すぐ飛んできて、自分の家につれて行った。そしてリョウヘイの母にこういうのが常だった。
「ごめんなさいといっていますから。」
リョウヘイは決してごめんなさいといった覚えがないときでも、おばさんはリョウヘイにかわってこういった。そしておばさんは引きずるようにして、うちにはいると、べつに何もいわないで遊ばしていた。リョウヘイはおじさんのカンナくずで舟をつくったり、美しい紙のようなカンナくずをあつめたりして、あそんでいた。
おじさんはおこるようにいった。
「子どもばかりしかったってなんにもならないじゃないか、ほころびひとつ縫ってやるじゃなしさ。」
おばさんは例ののんきそうにいった。
「あの人はあの人でいいのさ。子どもだって大きくなるんだから、一生しかっているわけにいかない。