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キリストきょうにゅうもん
キリスト教入門
矢内原 忠雄
序「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>門をたたけ「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第一章 人生と宗教「嘉信第十四巻第八・第九号」嘉信社、1951(昭和26)年8・9月<br>キリスト教入門第二章 いかにしてキリスト教を学ぶか「嘉信第十四巻第十・第十一号」嘉信社、1951(昭和26)年10・11月<br>キリスト教入門第三章 キリスト教の歴史「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第四章 キリスト教の神観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第五章 キリスト教の人間観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第六章 キリスト教の救済観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第七章 基督者の生涯「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教早わかり「嘉信第九巻第六・第七・第八号」嘉信社、1946(昭和21)年6、7、8月<br>無教会早わかり「嘉信第十巻第四号」嘉信社、1947(昭和22)年4月<br>聖書について「嘉信第十巻第七号」嘉信社、1947(昭和22)年7月<br>イエスの生涯「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月<br>あとがき「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,257 字 · 234 页
しかしみずから清い人間であるとは、決して意識しないのである。自己の意識においては、我らは常に「罪を赦された罪人」である。
一方では、基督者を目して「偽善者」という批評もある。それは神だとか、信仰だとか、愛だとか、救いだとか、きれいなことを口にしているが、その生活の内容は矛盾に満ちているではないか、というのである。この批評もまた、信仰生活の性質についての無理解から出るのである。
基督者は道徳的に清い人間だからキリストを信じたのではなく、またキリストを信じたから、すぐに道徳的に清い人間になったのでもない。聖潔に至る種は、信仰によってたしかに我らのうちに宿された。しかし我らが肉体にありて生きている間は、罪もまたなお肉体に宿っているから、死に至るべき旧き我と、聖潔に至るべき新しい我とが、はげしいたたかいを我の中でたたかいつづける。神の恩恵により、我が聖潔はたしかに旭日のごとく輝き出る日が来るであろう。しかし肉体にて生きる間は、我が聖潔は過程であって、完成ではない。我が実情は、二つの我のたたかいであり、その矛盾は我を悩ませる。この我が矛盾を指摘して嘲る世人の批評に対して、基督者は、ヨブが三人の友人の非難に対して答えたごとく、憐みを求めることはあり得ても、抗弁することはあるまい。