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キリストきょうにゅうもん
キリスト教入門
矢内原 忠雄
序「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>門をたたけ「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第一章 人生と宗教「嘉信第十四巻第八・第九号」嘉信社、1951(昭和26)年8・9月<br>キリスト教入門第二章 いかにしてキリスト教を学ぶか「嘉信第十四巻第十・第十一号」嘉信社、1951(昭和26)年10・11月<br>キリスト教入門第三章 キリスト教の歴史「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第四章 キリスト教の神観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第五章 キリスト教の人間観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第六章 キリスト教の救済観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第七章 基督者の生涯「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教早わかり「嘉信第九巻第六・第七・第八号」嘉信社、1946(昭和21)年6、7、8月<br>無教会早わかり「嘉信第十巻第四号」嘉信社、1947(昭和22)年4月<br>聖書について「嘉信第十巻第七号」嘉信社、1947(昭和22)年7月<br>イエスの生涯「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月<br>あとがき「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,257 字 · 234 页
いわば元服の年であった。この年齢に達したイエスに、神をわが父と呼び、神の宮をわが父の家と呼ぶ一種特別なる宗教的自覚の萌芽が現われたものとみえる。彼はヨセフに従ってナザレに帰るよりも、宮に留って教えを聞くことこそ、自己の本来のおり場所であることを感じた。それでも彼は両親とともにナザレに帰り、従順にこれに事えた。かくて知恵も身のたけもいや増さり、神と人とに愛せられつつ成人した。
父ヨセフは早く世を逝ったと思われ、これ以後我らはヨセフの名を福音書の記事に見出さない。イエスはたぶん父の職業を嗣ぎ、自ら指物大工をして、母と弟妹を養ったのであろう。しかしこれは我らの想像に止り、聖書はイエスの十二歳から三十歳までの十八年間については全く沈黙する。
この十八年は、イエスの公生涯に対する重要な準備の期間であった。この期間にイエスが神の心を学んだ道は、おそらく次の三つであろう。
第一は聖書(旧約聖書)である。イエスは聖書をよく読み、その文句を暗記し、その生きた精神をよくつかんでいた。イエスの戦いは聖書をもってする戦いであった。その素養はこの十八年の沈黙の期間に積まれたのである。