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キリストきょうにゅうもん

キリスト教入門

矢内原 忠雄

序「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>門をたたけ「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第一章 人生と宗教「嘉信第十四巻第八・第九号」嘉信社、1951(昭和26)年8・9月<br>キリスト教入門第二章 いかにしてキリスト教を学ぶか「嘉信第十四巻第十・第十一号」嘉信社、1951(昭和26)年10・11月<br>キリスト教入門第三章 キリスト教の歴史「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第四章 キリスト教の神観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第五章 キリスト教の人間観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第六章 キリスト教の救済観「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教入門第七章 基督者の生涯「キリスト教入門」角川新書、角川書店、1952(昭和27)年11月11日<br>キリスト教早わかり「嘉信第九巻第六・第七・第八号」嘉信社、1946(昭和21)年6、7、8月<br>無教会早わかり「嘉信第十巻第四号」嘉信社、1947(昭和22)年4月<br>聖書について「嘉信第十巻第七号」嘉信社、1947(昭和22)年7月<br>イエスの生涯「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月<br>あとがき「キリストの生涯」郵政省、1949(昭和24)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,257 字 · 234 页

青空文庫

と言った。この神殿粛清を手始めとして、イエスは毎日宮に来て群衆に教え、パリサイ人、サドカイ人と論戦して真理を明らかにし、何人も議論にて彼に勝つ者はなかった。議論にて勝てない者たちは、陰謀をめぐらしてイエスを捕えようと計った。しかし群衆を恐れて、誰もイエスに手出しができなかった。

イエスは昼は宮にて教え、夜はベタニヤに退いて憩うた。ある夜癩病人シモンの家にて食事の席についていた時、ある女が価高き、まじりなきナルドの香油の入った石膏の壺を持ち来たり、壺を毀ってイエスの首に注いだ。ある人々はこれを見て憤り、「なに故かく濫に油を費すか。この油を三百デナリ余に売りて、貧しき者に施すを得たりしものを」と言って、いたく女を咎めた。しかるにイエスは弁護して、「この女はなし得る限りを為して、我が体に香油を注ぎ、あらかじめ葬の備えをなせり」と言ってほめた。死を間近にしているイエスの心を、この女の愛が和げたのであった。

この女の濫費を咎めた者の中に、十二弟子の一人であるイスカリオテのユダがいた。彼はイエスの霊的な教えを理解せず、物質的方法による救主をイエスに期待した者であったが、この香油の事件を機会として全くイエスに失望し、ひそかに祭司長らのもとに行って、イエスを売ることを申し出た。