轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ジロリのおんな

ジロリの女

坂口 安吾

前半「文藝春秋 第二六巻第四号」1948(昭和23)年4月1日、後半「別冊文藝春秋 第六輯」1948(昭和23)年4月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,597 字 · 102 页

青空文庫

それはヤス子の必死の希いだ。さすれば下僕のマゴコロたるもの、何ものか自ら高貴でありたいと切に祈るのも仕方がない。さりとて、こればっかりはムリである。私は所詮高貴じゃない。

梨の花がさいていた。それは私にとっては別に美なるものには見えなかった。こんなものが、あの食べられる梨になるのかなアと思った。

私はいつもオシャベリだ。人に対して何か喋らずにいることが悪事のようにすら思われる幇間的な性根が具わっているのだが、アイビキのはての帰りの散歩の道などでは、どういう言葉もイヤになって、怒ったように、黙りこんでしまう。私の心がむなしくないからだ。いとしくて、そして、せつないからである。

私は、まったく、金竜のような女と一しょにいる時でも、その悪党ぶり薄情ぶりに敬服し、私よりもはるかに偉いものだと思っていた。ヤス子には、あゝいう水際立った目ざましい特技はないが、そのあたりまえさ、あたりまえの高さ、凜々しさ、それは私の心をやすらかにして、そしてそれだけの何でもないことの中で、金竜のそれとは異質の、然しそれよりも一そうの目ざましい何かで、とびあがるほど私の心をしめつけることがあった。