轻松读懂日语经典作品
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ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年7~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,656 字 · 110 页
ヤーシャは、それに拘泥せず巧に「プラウダ」の文句を引用しながらみんなに、富農が作物を出し渋ってること、運輸状態が円滑に行われていないこと等を説明した。
「タワーリシチ、兄弟! われわれは一九二八年の官僚主義撲滅のとき、どんな光輝ある活動をしたか! 覚えてるか? みんな! チョビ髯の工場委員会書記が、どんなザマしてオッ払われたか、覚えてるか?」
笑いが、あっちこっちに起った。みんなは、そのときのことを思い出したんだ。
「ソヴェトのプロレタリアートが、階級的自発性で動き出すときが、今またわれわれの前に来ている。空の籠下げて、無気力な婆さんみたいに列に立ってばかりいるときじゃない。闘わなくちゃならねえ! 大衆的に、ボリシェビキ的に置かれてる情勢を批判しなけりゃならないときなんだ!」
「そうだ!」
「その通り!」
「タワーリシチ!」
肩で人垣をわけながら、大きな髭をもった男がテーブルのわきへ出て来た。
「俺は、第二交代だ。ひと言云わしてくれ」
手の甲で口の端を一ふきし、変に顔を外方へ向けるような反抗的な姿勢で云い出した。
「兄弟! 俺はこういう疑問をもってるんだ。長いこともってるんだ。