轻松读懂日语经典作品
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
山野氏の自宅は向島小梅町の閑静な場所にあった。自動車は威勢のいい警笛を鳴しながら、立派な冠木門を入って行った。
掃き清められた砂利道を通って、自動車は日本建の玄関に横づけされた。その和風の母屋の右側には、かぎの手になって小さなコンクリート作りの二階建洋館があり、母屋から少し離れて左側には木造のギャレージが見えていた。決して宏壮ではなかったけれど、何となく豊かな感じを与える邸だった。
玄関を上ると、山野夫人はそこに出迎えた書生に、何事か尋ねている様子だったが、やがて長い廊下を通って、二人を洋館の階下の客間へ案内した。余り広くはないけれど、壁紙、窓かけ、絨毯などの色合や調度の配列に細かい注意が行届いていて、かなり居心地のよい部屋であった。一方の隅にはピアノが置かれ、そのつやつやした面に絨毯の模様を映していた。
「履物をお検べになりましたか」
白麻で覆ったひじかけ椅子にドッカリ腰を下すと、明智はぶっきらぼうに妙なことを尋ねた。
「ハア?」
夫人は彼の頓興な口の利き方に、一寸驚いて、微笑みながら聞き返した。彼女は一度日本間の方へ立去ろうとしていたのを、明智が話しかける様子なので、思い返して椅子についた。