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さんのじりょこうかい
三の字旅行会
大阪 圭吉
「新青年」1939(昭和14)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,658 字 · 19 页
そして結局、伝さんの疑問の中心は、まずその、毎日三時の汽車で上京して来る奇妙な婦人客の上へ、注がれるのであった。
――妙な女達だ。よくよく三という字に、惚れくさっているらしい。伝さんは、あせらずゆっくり考えた。
しかし、もともと余り物事を深く考えることの得意でない伝さんは、いつまでたっても、この問題に解決を与えられそうな、名案を、考え出すことは出来なかった。
そうして、いつの間にか、一月二月と時間が流れて行った。しかもその間、例の三の字気狂いの婦人客は、殆んど毎日のように三時の急行の三等車の三輛目でやって来て、相変らず出迎男を従えて、改札口のほうへ出て行った。考えてみれば、どうもこれは容易なことではない。もういままでに、一日一人で、百人近くのいろいろな婦人達が、気狂いじみたやりかたで上京しているのだ。それも、そもそも伝さんがその事に気づいてからの、大体の計算であって、この奇妙な旅行者達が、まだ伝さんの気づかなかった先からこのようなことを続けていたのだとしたなら、いったい何百人の気狂いが、同じように奇怪な方法をとって上京しているのか、判らない。伝さんは、なんだか恐ろしくなって来た。