轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんにんのひゃくしょう

三人の百姓

秋田 雨雀

「婦人公論」1920(大正9)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,876 字 · 12 页

青空文庫

と代官は言い出しました。

「さあ……」と言ったきり、長左衛門は何とも後の句が出なくなりました。何故といいますと太郎右衛門が朝太郎をこの上もなく愛しているのを、庄屋もよく知っていたからです。「実は」と長左衛門は怖る怖る代官様の顔を見て、「あの子は訳あってあの太郎右衛門が拾い上げて、これまで育てて参りましたもので……」と言いかけた時、代官様は、

「それは、私も知っているのだ。知っているからこそお前に相談をするのだ。実はあの朝太郎というお子は、殿のお世継の吉松様という方なのだ。さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっとした殿のお誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目に立到ったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀な百姓の手に御養育いたさせたのだ。その証拠はお子を拾い上げた者が所持しているはずだ。とにかく一刻も早く吉松殿にお目通りいたしたい。」

と大変真面目な言調で言いました。

庄屋の長左衛門も初めて事情が解ったので、早速太郎右衛門のところへ行って、神棚に入れて置いた書物を出させ、太郎右衛門と朝太郎を同道して、代官様の前に表われました。