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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
マルモ探検隊員の多くは起き出して、戸外を見た。その怪音の正体は、目に見えた。それは空から落ちてくる「光る円筒」であった。それは天空から無数に落ちて来て、今マルモ探検隊が宿営しているとことから二キロばかりはなれた地点に落下した。おどろいたことには、その「光る円筒」は地面の上に、規則正しい角度でずぶりずぶりと突きささり、そして見る見るうちに、竹でこしらえた垣のような形となった。
「なんだろう、あれは……」
「ふしぎな。宇宙艇でもないし、いったいなんだろう」
そういっているうちに、あとから落ちてくる「光る円筒」は垣みたいなものの一段上に規則正しく並びだした。さらにまたその上に積みあげられたようになっていって、やがて「光る円筒」でもって、巨大な塔が出来た。すばらしい建築だ。あのすばらしい力を、だれが支配しているのであろう。とても、われわれには出来そうもないことだ。カンノ博士もスミレ女史もすっかり青ざめて、無言で「光る円筒」のはなれ業をじっと見つめている。
ぼう然自失
カンノ博士の顔色が変わった。
スミレ女史も、息をつめて光る怪塔の方へ、大きな両眼をくぎづけにしている。