轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
おさよのおさまりように胆をつぶし、狐につままれたような心持で、家主喜左衛門と鍛冶富が帰っていったあとの、化物屋敷の奥の一間。
源十郎は、何か物思いに沈みながら、体についたごみの一つ一つをつかんでいると、おさよの茶をすする音が、その瞬間の部屋を占めた。
「さて、おさよどの」と源十郎は、思いきったように、しおらしく膝を進めて、「今もかの町人どもに申し聞かせたとおり、わしはそこもとを他人とは思わぬ。なくなった母にそっくりなのみか、恥を言わねばわからぬが、拙者も母の生存中は心配ばかりかけたもの――いや、存命中にもう少し孝行をしておけばよかったと、これは愚痴じゃが、いま考えても、あとの祭りだ。そこでなあ、おさよどの、亡母によく似ている年とったそこもとをよく労って進ぜたなら、草葉のかげで母もさぞかし喜ぶであろうとこう思うによって、これからはそこもとを実の母同様に扱うから、そちも、何か拙者に眼にあまることがあったら違慮なく叱言をいってもらいたい」
口巧者な源十郎、一気にこれだけしゃべって、チラリとおさよの顔を盗み見ると、おさよは今までにも、すっかり食わされているから、この源十郎の深謀を知る由もなく、もうすっかりその母親、五百石の女隠居になった気で、この時もせいぜい淑やかに軽く頭をさげただけだ。