轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

01 乾雲坤竜の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页

青空文庫

片隅に粗末な階段がついていて、そこはいまはいって来た秘密の入口――。

お藤が訴え出てあの騒ぎになったとは夢にも知らぬ左膳、源十郎が訴人をしたものと真に受けて、今にも鈴川屋敷へ斬りこもうとたけりたつのをお藤がおさえて、

「まあ、もうすこしお待ちなさいまし。決して悪いようにはいたしませんから……」

となだめているうちに。

せまい闇黒に女のにおいがひろがっていって咽せ返りそう……丹下左膳、いかにこの間に処したことか。

さて今夜。

暗いなかにすわっていると、雪の夜はことに静かである。

お藤が入れていった置き炬燵に暖をとって、長ながと蒲団にはらばった左膳、ひとりこうしていると、ゆくりなくもさまざまのことが思い出されるのだった。

追いつ追われつする運命の二剣! それに絡わるおのが秘命。

わけても……弥生のおもざし。

「おれも焼きがまわったかな」

と思わず左膳が、自嘲に似たつぶやきを洩らした刹那!

タ、タ、タと天井うらの床に跫音がひびいて、梯子段上の機械仕かけがんどう返しの扉がサッと開いたかと思うと、全身白く塗れた櫛まきお藤が、落ちるようにころがりこんで来た。

「どうしたのだ? 雪か」