轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
それでもさすがに底冷たい風が砂ほこりを吹きこんで、名物と銘うった団子がザラザラと舌にさわる。ちょいと趣の変わった木立ちや人家、黒ずんだ遠田のおもて、路傍に群れさわぐ子供らの耳なれない言葉……。
江戸っ児はうち弁慶、旅に出てはからきし意気地がないという。
与吉もその点では御多聞に洩れず、なんだかしきりに心細い気がしてくるのを、自分で懸命に引きたてるつもりで、
「旅もいいが、こちとらみてえな生え抜きの江戸っ児は、一歩お膝下を出はずれるてえと、食物と女の格がずんと落ちるのに往生するよ。女はお前、肌をみがく水が悪いとして眼エつぶるとしてもヨ、食物はなんでえ食物は!」
「へえ。そうかね」
「チッ! そうかねえじゃねえや。早え話がこの団子よ、こ、こんな物が食えるけえ。これで名物のなんのとチャンチャラおかしいや。なア、江戸じゃあこんな団子は猫も食わねえんだよ」
「あんれ! ここらの猫もハア団子アあんまり食わねえだよ」
「何をッ! 馬鹿にするねえ! えこう、江戸じゃあナ、まあ聞きねえってことよ。金竜山浅草寺名代の黄粉餅、伝法院大榎下の桔梗屋安兵衛てんだが、いまじゃア所変えして大繁昌だ。