轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
日例のあさの散策。
遠くの巷は、まず騒音に眼ざめかけていた。
射るような太陽の光線が早くも屋根のてっぺんを赤く染めはじめて、むら雀の鳴く声がもう耳にいっぱいだ。
が、忠相は、朝日や雀とともにこの新しい一日をよろこび迎えるには、あまりに暗いこころに沈んでいるのだ。
大工伊兵衛の横死――。
それがかれの脳裡を去らない。
一町人が邪剣を浴びて凶死した……それだけのことではすまされないものが、なんとなく奉行忠相の胸にこびりついて離れないのである。
――おそかった。
――手ぬかりだった。
忠相はこうしみじみと思う。
いずれはかかることをしでかすやつとにらんで、とうからそれとなく見張っておったに……早く手配をして引っくくってしまわなかったのが、返すがえすもわしの落ち度であった。
申しわけない!
さまざまのよからぬ風情も聞き、家事不取締りの条も数々あって、それらをもってしても容易におさえることはできたのに!
事実、博奕の罪科のみでも彼奴をひったて得たではないか。
それなのに自分は――まだまだ、もう少し現に先方から法に触れてくるまで……手をこまぬいて待っているうちに、暴状ついに無辜の行人におよんで、あったら好爺を刀下の鬼と化さしてしまった。