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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
だれにまっさきに見つかるだろうかと、たのしい空想をのせて船はすすみ、緑の木立ちや黒い小さな屋根をのせて岬はすべるように近づいてきた。二人の女の子が砂浜に立ってこちらを見ている。一年生ではないらしい。ふしぎそうにこちらから目をはなさない。変化にとぼしい岬の村では、海からの客も、陸からの客も見つけるに早く、好奇の目はまたたくまに集団をつくるのだった。立ちどまっている子どもが五人になり、七人にふえたと思うと、その姿はしだいに大きくなり、がやがや騒ぎとともに、ひとりひとりの顔の見わけもつきだした。しかし、子どものほうではだれもまだ着物の先生に見当がつかぬらしく、ま顔で見つめている。笑いかけてもわからぬらしい。しびれをきらして思わず片手があがると、がやがやはきゅうに大きくなって、叫びだした。
「やっぱり、おなご先生じゃア」
「おなご せんせえ」
「おなごせんせが きたどォ」
浜べはもういつのまにか大人までがまじっての大かんげいになった。船頭さんのなげたとも綱は歓呼の声でたぐりよせられ、力あまって船は砂浜まで引きあげられるさわぎだった。ひとしきり笑いさざめいたあげく、ともかく学校へ向かった。